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2003年07月06日

『「なれっじまねじめんと」とかいうやつを、いち早く体現してやるのだ。ワハハ』

「社長がBlogを書け」を引用して頂いた「CIOのためのBlog活用法 」で梅田さんが

Blogを書きたいなんて思いもしない連中に無理やりBlogを書かせる必要なんて全くなく、「特殊カテゴリ」に属するGood Bloggerが「ここにこういうエキスパートが居るよ、こういうリソースがあるよ」(the key people, the key projects, the key resources)という情報をBlogで社内に発信していけばいいわけだ。
と述べているが,確かにこれは現実的な路線の一つだ.

また,John Patrickの

企業が「Blog Central」というサイトを作り、Bloggerを注意深く選考する。選考基準は、部分的にはその知識だが、より「their great ability to communicate, to share, to be well connected and feel rewarded by connecting the dots for others」で選ぶべきだ。
も,社内にBlogでの情報共有を根付かせるのに有効な方法だと思う.

しかし,NY TImesのWilliam O'shea がBlogs in the Workplace で紹介している米国企業でのBlogの社内利用の例はもっと身近で気軽なものだった.もちろん,「社長が書け」なんて大層な雰囲気はどこにもない.

At Community Connect, Mr. Tang's engineers use a service called LiveJournal to post updates about tasks like fixing server computers or configuring software. Hitting the upload button sends the text to a private site, viewable by the authors and their managers, including the date and time of the postings and, often, links to relevant Web pages.

"When I want to know something I check the Web log," Mr. Tang said. "It saves me the trouble of e-mailing people or yelling across the room to get a status update."

というCommunity Connectのタンさんの例ではサーバの修理やソフトの設定などのステータスアップデートを報告する手段として使われいているし,
Mr. Tang has also used blogs to coordinate group projects, like the recent process of interviewing job candidates for a programming position. The various people at the company who spoke to each candidate posted their comments on a password-protected Web log.
タンさんは採用活動での候補者の評価を共有する手段としてとも使っているらしい.

なにかと話題のGoogleでは

Google, the provider of Internet search services, has become a big user of blogs for communication among its employees and managers a result of the company's acquisition of Pyra Labs, the creator of the Blogger Web log service, earlier this year. On one internal blog, called Google Love Notes, the customer service staff posts thank-you notes from users. One is from a woman who nursed her sick dog back to health after researching the illness on Google; the posting includes a photograph of the healed dog frolicking in a stream. Another came from a woman who was able to find a long-lost love through Google and who happily reports that she wound up agreeing to marry the man's brother.

"It's a good pick-me-up," Jason Shellen, a Blogger manager at Google, said of Love Notes.

ユーザからの感謝状を掲示しておく場所としてBlogを使っているらしい."It's a good pick-me-up"とGoogleのBlogger managerが語っているように社員の士気向上に役立っているのは想像に難くない.

また,米国のケータイキャリアの大手Verizonwirelessでは

The telephone and wireless giant Verizon Communications uses a Web log to collect news and intelligence about the industry and competitors. "We used to spend lots of time e-mailing articles around but not keeping track of them," said Sean Byrnes, the lead architect on Verizon's project for Wi-Fi wireless Internet access. His group now consolidates such information in a series of topic-specific blogs.
業界の動向を追いかけるための情報デポとして利用されている.

William O'sheaさんの記事を読んで気が付いたのは,Blogを上手に活用している企業はBlogを電子メールの変わりに使っているという点だ.ベライゾンで「記事を電子メールであれこれやり取りしていたけれど,全然整理をしていなかった」という話はきっと誰もが耳が痛い話だと思う.私もかつてヒューレット・パッカードで働いていたときはカーリー・フィオリーナからの社員向けのメッセージも,お客様からの問い合わせも,仲間内でやりとりしていたの業界動向ニュースも,飲み会の約束もみんな同じメールボックスに届いていて,サブジェクトを見て大切なものをピックアップして見ていく,という使い方になっていた.もちろん,フィルタを設定したりしてそれなりに整理しようとは努力していたが,ディレクトリの数が増えすぎるとすぐに何がなんだか分からなくなってしまう.そのうち社長からのメッセージもどこかに埋もれてしまって,結局見ずじまいになってしまうことが多かった.そんなときにこうしたメッセージがテーマ毎のBlogとして発信されていれば便利だったろうなと思う.更新情報だけメールで通知されるようにしておけばアンテナに引っかかったものが来たときに該当するサイトに訪れれば,その話題について大切な情報の切り口を,前後の話の流れも含めて見ておくことができるからだ.

今更ながらにもう一つ気が付いたのは,Blogの社内利用では「人」がコンテンツの核になるとは限らず,「テーマ」が核となりうるということだ.これは社内利用では多くの人が一つのBlogに投稿することになるからであり,個人利用の場合のように「基本的に投稿者は一人」ということはあまり無いからである.これまで私はコンテンツの核としての個人を意識しすぎていたが,なるほど,多くの人をAuthorにしてしまえばWikiのような使い方ができるわけだ.

いずれにせよ,Blogは単なるツールに過ぎないので目的に応じて使い分ければいい,ということになるのだろうか.社長ががんがんメッセージを出していくのに使ってもいいし,社内のGuruを住まわせる場所にしてもいいし,上で紹介されているように,もっと気軽な情報共有の場として使ってもいいのだろう.

もし,これらを実現するのに一つハードルがあるとすれば,それは社内のITリテラシーだろうか.上の利用例はいずれもIT関連の先端企業での話であり,社内のITリテラシーが高いところばかりと見ていいだろう.大抵の企業では「Blogを使ってみない?」と提案したところで「へ?なにそれ?」となることが関の山だ.これは日本企業に限らず米国の企業だって同じ状況のはずだ.

オヤヂどもをどう教育するか.これは新しいことを始める若者達が常に悩まされる難題であるが,結局はcapsctrldaysで述べられているように

今はみんな始めたばかりだから、プライベートなことをバカバカ書いてるけども、いずれ、いろんな情報を発信して、お互いに参照しあって、壁の向こうが言ってる「なれっじまねじめんと」とかいうやつを、いち早く体現してやるのだ。ワハハ
というのが,可能性を切り開く姿勢なのかも知れないと思う.

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コメント

うわ。タイトルにまでして頂いて……恐縮です。

いえいえ,こちらこそ勝手に使ってしまいましたが,あまりに痛快で気に入ってしまったので.確かに「こっちはこっちで勝手にやってますから,興味があったら付いてきて下さいな」という姿勢は場合によってはものすごく効果がありますよね.中途半端だと惨めな結果になってしまうことも確かですが,リスクを取る姿勢はアメリカ的とも言えるかも知れません.

とてもいい総括で感心しました。

そう、どんどんやっちゃって、やった連中だけが
いい思いすると、他の連中はあわててフォローする、

というイメージですね。

blog は発信する人にとってのメリットがむしろ大きいと感じています。

コストがかからないですしね,やったもの勝ちの事例が沢山増えてくることを期待しています.

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